はじめに
これまで、6社のお客様のデータ分析基盤の立ち上げから拡大までサポートして参りました。
その中でも、ダッシュボードの構築後の状況をインタビュアーすると「最近見てないんですよね」というケースがあります。
せっかくお客様自身の貴重な予算と時間をかけて作ったものが、事業成長に結びつかないケースは非常にもったいない。
今後、こうした無駄を防ぐためにも、
- なぜ参照されなくなるのか?
- どうすれば無作為でなく、事業成長にコミットできるダッシュボードを作れるのか?
といった事例をご紹介することで、効果的なデータ分析基盤の導入のデータ活用に繋げればと考えています。
失敗事例①:データ分析できる状態までに時間がかかる
「マスタデータが更新できていない」
「過去の仕入数を入れれていない」
といった、「**分析対象データが、更新されていないため、徐々に利用されなくなる」**といったケースは、頻繁に見られます。
データ分析を行うには、質の高いデータが整備され、タイムリーに利用可能であることが必要不可欠です。しかし、データの準備には意外と時間がかかるもので、ビジネスインテリジェンス(BI)ツールによる分析が遅延する一因となることがあります。
例えば、マスタデータが更新されていない場合、データ分析は現状に基づいていない可能性があります。これは、古い情報に基づく決定を生み出す可能性があるため、業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
事例の場合、
- 商品のマスタデータを更新する。
- 商品の仕入数を更新する。
- ダッシュボードを参照する。
といったプロセスが必要でした。
前提として、マスタデータも仕入数も、共にシステムから連携できないという制限があったため、上記運用となっていました。
「日々の業務に追われながら、マスタデータも仕入数も、分析専用にご準備いただく」といった事が、この運用をさらに難しくしていたように思えます。
失敗事例②:表示が遅い
BIツールのダッシュボード表示が遅いと、ビジネスに必要な情報をタイムリーに得ることができないだけでなく、ユーザーエクスペリエンスも大きく損なわれます。
また、表示が遅すぎると、「ダッシュボードが見られない」状態を生じる可能性もあります。
ダッシュボード表示の遅延の要因として
- 大きなデータセットを扱い、データの抽出や集計に時間がかかる。
- データベースの設定やパフォーマンスが最適化されていない。
- データのロードに問題がある。
- ネットワーク接続の遅さや不安定さ
- BIツールやデータベースサーバーのリソース不足。
これらの問題に対処するためには、接続先のデータベースやDWHに合わせて、性能問題の原因を切り分け、必要に応じた対処が求められます。
また、クエリを改善することで、必要なデータのみを抽出し、不要な計算を排除することで、データの処理速度を向上させることもできます。
失敗事例③:エラーを放置した結果、確認ができない
「エラーが発生していて放置しています」
といった「エラー」に関する問題も多く発生します。
ビジネスインテリジェンスツール(BIツール)のエラーは、時間とともに大きな問題に発展する可能性があります。
エラーは、ユーザーの体験の阻害や分析効率の低下だけでなく、特に放置された場合、最終的にはダッシュボードが全く見られなくなる結果を招くこともあります。
たとえば、
- データベース接続エラーやデータ不整合などの問題が生じた場合、これらのエラーを直ちに解消しないと、その後のデータ処理や分析が不可能になる場合があります。
- データソースの削除や変更により、既存のレポートやダッシュボードが参照するデータが利用できなくなることもあります。
これらの問題が解決されないまま放置されると、時間とともに影響範囲は拡大し、最終的にはユーザーがダッシュボードを確認することができなくなる可能性があります。
特に、アクセス権限が変更され、必要なデータへのアクセスが制限されると、ダッシュボードの表示内容が不完全になるか、または全く表示されなくなる可能性があります。
これらの問題を避けるためには、エラーが発生した際には迅速に対処することが重要です。
エラーメッセージを詳細に読み、問題の解決に必要なステップを踏むことが求められます。
また、必要に応じて技術サポートチームに連絡し、問題の解決を求めることも重要です。
取り急ぎでダッシュボード構築を避ける
なぜ、徐々に利用されなくなるのでしょうか?
こうした問題点を深掘りすると、
- データ管理・整備
- ダッシュボードの運用ルール
に共通した課題がありました。
データ管理・整備
データの整合性や質、アップデートのタイムリーさなどは、正確な分析と意思決定に影響を及ぼします。
適切なデータ管理と整備が行われていないと、分析の結果は信頼性を欠く可能性があります。
また、データの準備や整備に時間がかかりすぎると、その間にビジネスの状況が変わり、古いデータに基づく分析となる可能性もあります。
ダッシュボードの運用ルール
ダッシュボードが正確に動作し、利用者が期待通りの結果を得られるようにするためには、エラーハンドリングのルールとパフォーマンス最適化のルールが重要です。
これにはエラーの迅速な検出と解消、システムリソースの適切な管理と最適化などが含まれます。
これまでに、分析の運用がないにも関わらず、とりあえずダッシュボードを構築後に見られないケースは、頻発します。
これらの要素が適切に管理され、適切な運用ルールが確立されていると、BIツールの利用者は正確でタイムリーな情報に基づく意思決定を行うことができ、組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。
まとめ
これらの内容は、お客様の組織や属人性に問題があることを言いたいのではなく、「データ分析」というプロセスやデータの保持方法にフォーカスし、随時対応が必要となります。
このため、分析要件の整理から、テーブル設計、分析設計を丁寧に進めた上で、ダッシュボード実装を進めます。
抽象的なデータ活用の内容から構築方法までサポート可能です。
無料でご相談可能ですので、以下までお問合せください。